2011年1月11日火曜日

今日の読書『古代生活の研究:常世の国』

青空文庫所収。

まれびとの最初の意義は、神であつたらしい。時を定めて来り臨む神である。大空から、海のあなたから、或村に限つて、富みと齢と其他若干の幸福とを齎して来るものと、村人たちの信じてゐた神の事なのである。

此まれびとなる神たちは、私どもの祖先の、海岸を逐うて移つた時代から持ち越して、後には天上から来臨すると考へ、更に地上のある地域からも来る事と思ふ様に変つて来た。古い形では、海のあなたの国から初春毎に渡り来て、村の家々に一年中の心躍る様な予言(カネゴト)を与へて去つた。此まれびとの属性が次第に向上しては、天上の至上神を生み出す事になり、従つてまれびとの国を、高天原に考へる様になつたのだと思ふ。

中沢新一『神の発明』における「来訪神」「高神」論の基礎か。古事記・日本書紀も読まなきゃいかんなあ……。どんどん基礎・古典・理論に向かっている自分がいる。いいことだと思うが、時間が足りないw

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