「マンホールの蓋ってアートだよ!」といくら口で言っても、まず伝わりません。そこで今回は、自分がこれまで取り貯めた鉄蓋の画像を多用し、また一部はtwitterでの#manhotalk に集う先達の皆様にご提供いただいて、札幌・道央圏・全国と段階を踏んだ地域→全国へと視点を広げました。
そうした地域性とは別に、ただ鑑賞/観察しようといっても取っ掛かりがないと難しいので、基礎3つ、応用3つの視角を設定しました。
「アート」「歴史・郷土史」「コレクション」という3つの基礎的視角と、そこから派生する「絵に込められた意味」「近代化遺産としての鉄蓋の保存・継承」「デザインの分析・体系化」という3つの応用的視角を整理すると図のように、曼荼羅というか、鉄蓋をとりまくコスモロジーというか、なかなか興味深いものになりました。この6点は、そのまま路上観察一般にもスライドして利用できます。
最後に基礎・応用を踏まえた発展として、観察/鑑賞をどのように実践していくかについて、いくつかの提案を行なってレクチャーを〆ました。
また、少しでも身近に感じていただけるように、幾つかの展示資料を用意して、休憩時間などに手にとっていただきました。資料としては「マンホールのふた(日本篇)」「同(ヨーロッパ篇)」といった書籍や展示図録、デザインマンホールの図案、蓋メーカーさんの製品カタログ、自作のフロッタージュ、歴史的に重要な(と私は考えている)東京市型模様の設計青焼き図面、変わった所ではマンガに出てくる名古屋市型模様・中部電力の蓋、また実物資料として止水栓の鉄蓋などを展示しました。中でも「マンホールのふた(日本篇)」と製品カタログが特に人気だったようです。
書籍や図案・実物(止水栓の蓋)など | 東京市型模様の青焼きコピー |
「正しい」札下 OYOYOの近くで発見 | 「誤字っぽい」札下 レクチャー内で取り上げた蓋 |
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