といっても北大はあまりに広いので、南側半分くらいをざっくり回っただけなのですが、それでもいっぱい収穫がありました。
北大の蓋で有名なのは、なんといっても北大オリジナルのマンホール蓋です。
北 下水 | 北大 下水 |
札幌市型模様は、1927(昭和2)年の札幌市下水道事業開始時に仕様が定められたものだと私は考えています(記録上の初出は管見の限りでは昭和11年刊『札幌市第二期下水道事業概要』です)。この時の下水は、汚水処理はせずに雨水・汚水合流管による排除のみでした。
「北」と「北大」の、どちらがより古いかというのははっきりしませんが、直感的には「北」の方が古いように思えます。構内で発見した枚数、字体、すり減り方などからの推測です。北大史に詳しい方、北大の関係者の方、ご存知でしたら教えて下さいませ。
北 下水 エラー蓋 |
他にも北大構内にはさまざまな蓋があり、鉄蓋探索者としては興味が尽きないのですが、その中でも特に私の興味をひき、そして詳細がまだわかっていない(調べていない)のが、次に紹介する「☆に北」の蓋です。
a) ☆北 マンホール蓋 | b) ☆北 ガス ハンドホール蓋 |
c) ☆北 電防 ハンドホール蓋 | d) ☆北 マンホール蓋 |
この4つは、いずれも紋章座に「☆の中に北の字」が描かれています。このマークが問題で、b)のハンドホール蓋から、どうやら北海道ガスの蓋で、☆北は北ガスの古い社章のようにも思われます。c)の「電防」もガス管の腐食防止効果を測定するためのもので、やはりガス会社の蓋と考えられます。しかし、本当に北ガスの古い社章なのかどうかは社史などをあたってみないと確言できません。
また、特に注目されるのはd)の蓋です。地紋全体が陰刻(線が掘り込んである、普通は陽刻)で、かつ外帯は札幌市型模様ですが内帯は「工」と「|」の繰り返し模様です。かなり初期の、貴重な蓋だと思われます。
この「☆北」の蓋は札幌市内や北海道教育大学札幌校構内でも見かけています。札幌市内を調査して、また文献調査も行って近いうちに☆北の謎(笑)を解明したいと思います。
このように、北海道大学の構内だけでも、マンホールなどの鉄蓋をテーマに探検できます。学生の皆さんはぜひ自分の学校の構内の鉄蓋をチェックしてみてください。新たな発見がありますよ(゚∀゚) 最後に間違い探しの答え:「北」と「下水」の字の向きが逆になっている。おそらく紋章座の「北」を間違えて逆さまに作ってしまったのでしょう。