2011年7月24日日曜日

「元救護隊員のお話を聞く会」に行ってみた

そらち炭鉱の記憶マネジメントセンターさんで、「元救護隊員のお話を聞く会」というのをやるそうなので行ってみました。住友赤平炭鉱で救護隊員として、あるいは救護に関わる業務をされていた方の、当時の体験談などを聞くというもので、特に炭鉱関係の知識がなくても十分にわかりやすく話してくださいました。実体験に基づく重み、その中でも単に石炭を採掘するだけでなく、救護ということで「まず事故を起こさない」ことに注力した活動、また有事の際の出動についてなど、今ではなかなか聞くことのできない話をいっぱい聞くことができました。

実は今日になるまで半ば忘れかけてたんだけどw 思い出して行ってみて良かったです。
写真は中休みの時の様子。鉱山内の断面図(坑口、地層)と平面図がとても綺麗でした。
そしてこの図面はおそらく今回の説明のために用意してくださったのだと思うのですが、その中にも例えば「層」の字を「尸」と省略したり、また「受」の「ツ」の部分が「\ | /」のような書き方だったりというのを発見し、やっぱり炭鉱文字というのは確実にあるなと確信しました。あ、炭鉱文字というのは、炭鉱で看板、掲示、印刷物に使われるような独特の字体のことで、私が勝手に命名したものです。ゲバ字や変体少女文字(丸文字)なんかもそうですが、こういう非常に閉じたコミュニティの日常生活文化って、当時携わっていた人々の間ではあまりにも普通のことであるがゆえに、いま意識的に採集・記録しないとどんどん風化して、その存在自体忘れられてしまいます。機会があれば、そのへんもっと色々調査採集したいものです。炭鉱の記憶推進事業団さん、いかがでしょうか。

その帰りには近所をちょっと寄り道して、市内で2枚目となる漢字右書きのガス蓋を発見(´∀`*) 右書きだから戦前と100%言えるわけではないけど、まあ戦前か下っても戦後すぐくらいの時期の蓋でしょう。他にも痛ましいガス蓋化石を採集したり、鉄蓋的にも嬉しい日でした。

全然関係ない思いつきだけど、マンホール蓋とかのこういう鉄蓋を絵葉書サイズに印刷して、ミニ写真展とかやったら面白くないかしら。どうかな。InstagramみたいなLo-Fiな加工バリバリにしたらポップで面白くなるだろうというのは容易に想像できるけど、逆にモノクロでやるのも渋くていいかなーと思ったり。でもそれを面白がれる人がどれだけ居るかというと、微妙かも……。ていうかそもそも写真展やる場所がないのでした/(^o^)\

2011年7月15日金曜日

材木川水門

当別町から札幌へ移動中に水門があることに気がついた、というか前から知ってはいたのですが見てみようとは思ってなかったのですが、ふと思いついて見物してみることにしました。水門観察のデビューです。

これは材木川水門といって、当別川とその支流である材木川の合流点にある水門です。

 

左は水門上部建屋、右は水門の巻上機構。
1977(昭和52)年9月竣工、鋼製ローラゲート式、純径間11m×流入口高4m、電動手動兼用ワイヤーロープ巻上とのこと。ちなみに建屋の手前にある道路は橋なのですが、橋の名前は材木川水門橋でした。そのまんま。この橋は水門とほぼ同時の昭和52年10月に作ったようです。

しかし、上部設備と巻上機構部分は撮影したけれど、水門自体は撮影してきませんでした。下に降りるという発想がなかった!w そのうち再戦したいね。水門のプロの人に連れていって欲しいものです。

ここは排水機場もあります。



でこれが樋門。こちらは1987(昭和62)年竣工。

 

こちらは下に降りて撮影してきました。

いままで水門をちゃんと眺めたことはなかったけど、じっくり見るとなかなか面白いね。水門ファンがいるのも頷けます。

なお、Das Otterhaus 【カワウソ舎】さんの記事が、写真が多くて分かりやすいです。

場所は以下の通り。

大きな地図で見る



2011年7月9日土曜日

栗山町図書館ブックリサイクル

栗山町図書館でブックリサイクルをやると今朝の新聞にあったので、行ってみました。実はそれほど期待していなくて、マンホール探索ついでに1、2冊貰ってこれればいいかなーと思っていたのですが……意外や意外、豊作で上限の20冊抱えて帰ってきました(´∀`*)

貰ってきた本のリスト:

  • 吉村昭『破獄』新潮文庫
  • ルソー『人間不平等起源論』岩波文庫
  • 梅棹忠夫『知的生産の技術』岩波新書
  • 西郷信綱『古事記の世界』岩波新書
  • 梅本克己『唯物史観と現代』岩波新書
  • 石井孝『明治維新の舞台裏』岩波新書
  • 古島敏雄『土地に刻まれた歴史』岩波新書
  • 宇賀田為吉『タバコの歴史』岩波新書
  • 脇村義太郎『東西書肆街考』岩波新書
  • 小松茂美『手紙の歴史』岩波新書
  • 森島恒雄『魔女狩り』岩波新書
  • 石井研堂編著『日本漂流譚 一』ほるぷ出版(名著復刻日本児童文学館第二集1、和装)
  • 薮内清訳注『天工開物』東洋文庫
  • チェンバレン(高梨健吉訳)『日本事物史』1,2 東洋文庫
  • 『北海道道路53話』北海道新聞社
  • 『シンポジウム アイヌ』北海道大学図書刊行会
  • 『風土記日本6 北海道篇』平凡社
  • 札幌市教育委員会編『札幌と水』さっぽろ文庫 北海道新聞社
  • 札幌市教育委員会編『職人物語』さっぽろ文庫 北海道新聞社


中には古本で買おうかと思っていた本もあったので、とても助かりました。
明日もやっているようです。聞いてみたところ年に2回程度開催しているようなので、毎回収穫があるかどうかは分かりませんが、今後も要チェックです。



2011年7月7日木曜日

炭鉱の異体字

いまそらち炭鉱の記憶マネジメントセンターさんで「炭鉱の保安展」というのをやっているので、さっそく観に行ってきました。内容的には幌内や赤平などの炭鉱での保安関係の装備や標語などを展示しているものです。詳細はスタッフブログに紹介が出ていますが……なんとここに写ってる見学者が私です(*ノノ もう少しまともな格好で行けばよかった。ラフすぎるorz

で、炭鉱関係の資料ももちろん興味深いのですが、個人的には使用されていた文字がどうも気になってしまったので、許可を得ていくつか撮影してきました。



内電の「電」はよくある看板などでの略し方ですが、「声」の上の「士」が「土」になっているのは初めて見ました。



切れてる行は除いて、一行目、管理者の「管」は筆が走ってしまったようですが、二行目三行目、係員の「員」の上の「口」が「ム」になっています。これもよくある手書きの異体字ですね。



救急バルブの「急」の、「ヨ」の横棒が出ている形です。



技術の「術」の「ホ」が「求」です。また「事」の「口」が略して書かれています。

ゲバ字とはまた違いますが、炭鉱もきっと独自の書体や文字などあったのではないでしょうか。炭鉱史とタイポグラフィ、あるいは炭鉱史と文字という出会いも、アリだと思います。研究してみたいなあ。

2011年7月1日金曜日

マンホール:突出蓋

直径60cm以上のマンホール蓋から10cm以下の止水栓蓋まで様々な鉄蓋を見ていると、時々地面から突き出た蓋があることに気が付きました。例えるならキノコ。

キノコ蓋だとちょっとあんまりだしw 突出物件だとトマソンぽくなってしまうので、とりあえず突出蓋(あるいは凸蓋でもいいかも)と呼んで、ここで紹介してみます。


路面と路肩の高さが異なり、路面に蓋の高さを合わせた結果路肩側の蓋受け構造がはみ出てしまった状態です。これはまだ突出とは言えない。呼称をつけるとすれば「はみで蓋」か。


突出し始めました。仕切弁筐の上部が、じわりと縁石の上に出てきています。縁石自身も盛り上がりを見せていて、乳房のような乳首のような。


5cmほど出てきました。明らかに地面から突出し、つまずいて転びそうなレベルです。


周囲の地面が削られて蓋と構造物が取り残されているようにも見えますが、尋常な状態ではないことは間違いありません。


15cmほど伸びてきた状態。赤錆びた弁筐が雄々しい。この段階になると、もうマンホールとかハンドホールとか、とにかく「地面の蓋」という概念は全く無視されています。余談ですが、この蓋(止水栓か)は丸の中に六芒星、その中にyの字のような図案なのですが、この図案に心当たりのある方いらしたらご一報下さい。 よく観察した結果、yではなく「止」という文字であることに気が付きました。つまり止水栓です。


畑の脇を流れる水、ミズゴケ、そして突出蓋。塩ビパイプというより、もはや植物。25cmクラス。


荒寥たる大地に屹立する蓋。30cmオーバー。小さな巨人。

構造上大きな蓋が突出することは、先の大地震のような自然災害でもない限り基本的には無いと思います。でも小さな蓋だと、日常の風景に突出蓋が紛れ込んでいることがあるようです。気が向いたら探してみてください。